GOJARAPPE DAYS〜個人的な備忘録〜

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zoom RSS 赤ちゃんの値段

<<   作成日時 : 2008/10/06 23:01   >>

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赤ちゃんの値段という本を読む。2年前だっけか、マドンナの養子問題で世間が喧々囂々していたとき、国際養子に興味を持って調べた際に見つけた本。

そのときは、マドンナがらみの娯楽記事を書き、その延長で日本の海外養子斡旋ってどうなっているかと、ちょっと調べたのだが、それだけで闇が深そうだなという印象だった。とりあえず、読みたい本リストに入れておき、そのままになっていた。ひょんなことで思い出し、今回手にしてみて、う〜ん、やっぱりこの闇は深そうだと改めて思う。

この本に登場するのは、望まれない妊娠の果てに生まれてきた赤ちゃん。若すぎる妊娠だったり、不倫だったり、レイプだったり、そういう子たちがアメリカをはじめとする海外へ養子として斡旋されている実状と問題点が提起されている。本の帯には感涙のドキュメントとあるが、闇の部分の実態を追ったルポではない。それよりは実状と制度の解説、浮かび上がる問題点、改善策等に比重が置かれている。それは、作者が取材を重ねても、奥に分け入っていけない部分がきっとあったのだろう。

養子制度への意見はいろいろあろう。日本の場合は、血縁を重視するので、子どもに恵まれない、でも子どものいる人生をと思ったとき、養子を取るという選択肢よりも、不妊治療へ向かう人の方が多いだろう。仮に養子をとなっても、「この子は養子なの」と堂々と言う家庭はきっと少なく、ある程度の年齢になった子どもに静かにきちんと話すというのが多いのかな。たぶん。どちらにしてもオープンにしたい話じゃないはず。

でも、それが、斡旋ビジネスとしての市場があり、パスポート1つで海外の養親に引き取られる赤ちゃんが、年間数十人もいると知ると、もう少し、日の当たるところできちんと養子を語ったほうがいいのかもしれないと思う。しかも日本の赤ちゃんは人気で、コストも高いと読むとなおさら。

引き取られるのは圧倒的にアメリカが多いそうで、日本で親の愛に恵まれない生活をするよりは……と説得するらしい、斡旋団体は。まぁ、そこそこ豊かなアメリカの中産階級に引き取られ、養子への偏見もない国で暮らしたほうが幸せと考えてしまう人がいるのかもしれないけど。虐待や、子殺しのニュースが後を絶たないこの国においては一層、そのほうがという意見もあるのかもしれない。

でも、幸せになると言われて、渡したはずの子どもが、児童ポルノや臓器売買などの犯罪の温床になる危険性もある。だから、インドやフィリピンなどでは海外養子を規制する動きが強いのだそう。公開中の映画「闇の子どもたち」に重なってくる話。

この本で私がドキッととしたのは、望まない妊娠をして、半ば強引に子どもを海外養子に出されてしまった女性が、作者にもらしたこんな声。

「家族の中でも、この疑問を口に出すのは避けてきたことですが、息子は本当にカリフォルニアに行ったのでしょうか」

実親には、わが子がどこへ引き取られたか知らされない。子どもが誰の子かという情報は養親には知らされないという。赤ちゃんがどこから来てどこへ行くのか、そのすべてを把握している人が1人もいないまま、海外養子という事実だけが静かに進んでいる。

仮に100%幸せになったとしても、こんなビジネス、野放しじゃまずいだろうと強く思う。

ちなみにこの本、読売新聞の連載で、作者は社会部の記者。初版が2006年でなぜか講談社刊なんだが、すでに絶版になってしまっている。私もしょうがないので、図書館で借りた。

取材に時間を重ね、地道に調べた労作だと思うと、わずか2年で絶版はあまりにも惜しいと思う。新聞連載時は話題をよんだそうだが、本になると読まれないのかな。それとも文庫になる予定とかあるのかな。でもいろいろなことが複雑に交差している問題だから、。考えるきっかけにするためにも、お薦めな本だ。

赤ちゃんの値段
講談社
高倉 正樹
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
あーもう。早く寝なきゃならんのにぃ!

12〜13年くらい前のことですが、ベトナム・ハノイの小さなホテルに滞在していたとき、生まれたばかりの赤ん坊がフランス人に引き取られていく場面に遭遇したことがあります。あっけにとられた自分は「フランス人は植民地としていた時代の罪滅ぼしでベトナムの子を養子にするのか?」と思って、ホテルの従業員にそう聞いてみましたが、「別にそういうわけではない」との答え。「ヨーロッパ人が(ベトナムに限らず)外国の子を養子にとるのは不思議なことではない」との説明に、わかったようなわからないような中途半端な心持になったことを今思い出しました。
あれからぼちぼちいい加減歳をとり、今ではご指摘のごとく児童ポルノや臓器摘出の犠牲者となっている可能性が否定出来ないことは知ってしまった。お薦めの本、それから映画「闇の〜」も見なければ、と思います。しんどいけど。

2008/10/07 01:56
追伸っす。

勝手な思い込みかもしれませんが、アメリカに比べてフランスはそんなダークな市場がない(少ない)ような気がします。斡旋業者が介在しているのはしょうがないとして、自分が見かけたあの赤ちゃんは、パリとはいわないまでもどこかフランスの静かな町で元気に中学校に通っていると信じます。

2008/10/07 01:57
かさん
あらら、週明けいきなり、寝るのをジャマしてごめんなさい。

フランス人の話、生々しいですね。ホント、幸せで暮らしていることを祈りたいですね。

闇の〜は実は私も観ていません。

行こうと思いつつ、なかなか足が重く、でも終わるまえに行かないとと思っております。この映画、いろいろ否定的な意見もありますよね。基本は小説だから、臓器売買の件は真実ではないと思いたいです。
こちら参考に!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080805/167273/?P=2

海外養子に行った赤ちゃんもそういう方向に行くとは信じたくないですが、引取先の家庭とトラブルになったりは多いようで、様々な問題を含んでいるのは確かなんだろうなと思います。

重たい話だけれど、ちゃんと知ることがまずできることですかね。

2008/10/07 11:46

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